音楽好きは見逃すな!都市と音楽の未来を考えるイベント『TOKYO MUSIC ODYSSEY 2018』トークセッションと備忘録。

6/8(金)-6/10(日)の3日間、渋谷でとってもクールな音楽イベントが開催されているのをご存知ですか?

その名も・・・・

TOKYO MUSIC ODYSSEY 2018!!!



1|「TOKYO MUSIC ODYSSEY」とは?

TOKYO MUSIC ODYSSEY」とは、”都市と音楽の未来“をテーマに、東京、渋谷から発信する音楽とカルチャーの祭典。時代を創るアーティスト、クリエイターと、この街に集まる多種多様な人々が出会い、共に未来を描く、都市型フェスティバルです。

(公式サイトhttps://tokyomusicodyssey.jp/2018/about/より抜粋)

スペースシャワーネットワーク主催のこのイベント。三日間に渡って、渋谷のWWW、WWW X、GALLERY X、渋谷各所にて、ミュージシャンによるライブや、アーテイストによるトークセッション、DJイベントや「渋谷ラン」など、さまざまなイベントが開催されます。

音楽好きは、絶対見逃してはいけないイベントです!!!

今回はイベントの1つ、ミュージシャン・アーティストによるトークセッションに参加してきました!ゆるっと備忘録。

2|トークセッション第1部は「これからの音楽の届け方」について

第一部のゲストは、バンド「サニーデイ・サービス」でミュージシャンとしてライブ活動を行う一方で、音楽制作や執筆、レーベル「ローズ・レコーズ」の運営など、多岐にわたって活動されている曾我部恵一さん。

WIRED日本版編集長の若林恵さん。2018年に、「黒鳥社」というコンテンツレーベルを設立しています。

そして、ジャズ評論家の柳樂光隆さん。



ーー海外とも音楽を通じてつながりをもってきた方々とあって、話題は自然と「海外と日本」の音楽文化の違いに。

アメリカでは、1980-90年代の曲が街中やタクシーの中で流れていたり、映画にも多用されていたり、常に手に届くところにある先人たちがつくり上げてきた文化・レガシーを重んじる文化が根付いている。映画なんか顕著で、エンディングに「心のロック」みたいな昔懐かしい曲が、待ってましたと言わんばかりに絶妙なタイミングで流れてくれる。歌詞にも、昔のアーティストの名前がよく出てきたりする。(曾我部さん)

一方で日本は、最近のミュージシャンの傾向を見ていても、昔の文化をリスペクトするような音楽が少ないように感じる。ある特定のアーティストを代々聞く、といった文化もあまりなく、ファン層も続いて2世代まで。(曾我部さん)

ちょっと寂しいかも。

ーーこれからの都市の問題は、『孤独』である?!

これからの時代、東京のような都市の問題点は「孤独」だと言われていて、シティプランニング、つまり都市計画の中で「音楽」を活用していこうという議論が割と真剣にされている。(若林さん)

うーん、私のような行政・街づくりの世界から遠い人間からすると、そんなことが行われているなんて知らなかった。私が東京にきてびっくりしたのは、街をあげた音楽イベントの多さ。音楽都市としての下北沢や高円寺。すみだストリートジャズフェスティバル東京・春・音楽祭など。ただ、確かにイベントは多いかもしれないけれど、「じゃあ生活に音楽がかかせないものなのか?」って聞いたときに、「YES!」と答える人は少ない気がする。

ーー世界における日本の曲の在り方とは。

2018年のビルボード・ミュージック・アワードにて、韓国のダンスアイドルグループ、BTSこと「防弾少年団」が見事1位に輝いた。これはすごく意味のあることで、言語がたとえ違っても世界に認められる可能性がある、ということを示したいい例だと思う。

CDが売れた時代は、なんだかんだいってお金がミュージシャンのところにも残ったが、今やストリーミングの時代で、特に日本では文字通り「音楽だけで食っていくことが難しくなってしまった」。そんなミュージシャンの生き残り戦略としての「世界的ヒット」。BTSの大ヒットは、日本のアーティストもまだまだ世界で稼げるかもしれないということを可能性しているよね。(若林さん)

日本の音楽シーンって、繊細で多様で。もっとその魅力を前面に出して、世界に対してオープンになってもいい気がしますけどね。(一同)

3|トークセッション第2部は「新たな音楽の生み出し方」について

第二部のゲストは…

メディアアーティスト・大学准教授・科学者など、様々な顔をもつ魔法使い、落合陽一さん。

水曜日のカンパネラ」のトラックメーカーとして作詞作曲を手掛けるケンモチヒデフミさん。

りりっく(歌詞)を棒読む、ぼくりりこと、ぼくのりりっくのぼうよみさん!

5分遅れて登場してきた落合さん。テロテロな服をふわりとなびかせながらご登場!姿を表した瞬間、観客は「お~!」と思わず声を漏らす。空気が変わって、一気にセッションモード。

落合陽一さんと言えば、AI時代の生き方を唱える科学者であり、メディアアーティスト。水カンさんは音楽プロデューサーであり、バンドでのミュージシャンとしての活動もしています。ぼくりりは、なんと現役の大学生の20歳。世代もバックグラウンドも違う3人によるディスカッションには、どんな化学反応が待ち受けているのか?!それぞれの思い描く、音楽と都市の未来とは

ーーNEO◯◯が面白い。

水カンの曲がすごい面白いと思う。現代風のエレクトロな音楽なんだけど、一周回ってなんか昭和を感じるんだよね。(落合さん)アマノウズメとか、一休さんとか、歴史上の人物や昔話・神話を現代に当てはめて、エンタテインメントとして立派に成り立たせてる。

歴史を現代風に解釈すると、滑稽で面白くなっちゃう。(ケンモチさん)

「今日、雨が降ってきたから、あ、5分ほど遅れるなぁと思って。」

ぼくりり:「そういえば、開始予定時刻回ってからインスタ投稿してましたよね(笑)」

落合:「移動時間のわずかな隙間な時間に出来ることを探したんだけど、出来ることと言えば、インスタへの投稿だ!と思って。それから、予習がてらちゃんと水カンの曲を聞いてきましたよ。」

とにかく水カン愛を語る落合氏。

ーー今年の夏は「平成最後の夏」。

平成って、明治時代以来の「意図的にリセットされた」年になる。年号が変わるときって、世の中ががらっと変わるらしい。平成がおわって新しい年号になったら、日本はどう変わるかな?(落合さん)

音楽って、時代とは切っても切りはなせない関係にありますからね。時代がガラッと変わったら、今の歌詞に出てくるワードや表現が未来の人たちにはとてつもなく古くて懐かしいものになっちゃうんだろうなぁ。(ぼくりりさん)

そんな落合陽一さんの大好きな曲を集めたプレイリストをSpotifyで見つけちゃいました!

AviciiやZEDDなど、エレクトロな選曲が多めで意外とファンキー!!水曜日のカンパネラの曲もばっちり入ってましたよ!

ーーそれぞれの思い描く「こうあってほしい」音楽の在り方とは?

落合陽一さんの考える「都市」と「ヒト」のイメージ

 

ケンモチ:「売れてる曲=いい曲」じゃなくて、もっと音楽の評価基準・楽しみ方を多様なものにしたい

ぼくりり:音楽の作り手として、リスナーをゴールに向かってわかりやすく誘導してあげたい。それこそ、「逃げ恥」の主題歌である星野源さんの「恋」とか、映画「君の名は」の主題歌であるラッドウィンプスの「前々前世」とか、それくらい大ヒットすれば価値観や世界観を周りの人と共有できるけど、それ以下の曲は、正直各々の楽しみ方、イメージで曲をとらえるしかない

落合:面白い!二人は真逆のことをいってるよね?!そっか、昔は誰もが知っている曲が存在したけれど、今は隣の人が何を聞いているかわからない時代だからかも。個人の趣味嗜好が今後もっとニッチ化していったとしたら、そもそも風潮や大衆の意見によって形成される『時代』という概念がなくなるかもね。

と、何ともまとまりのない備忘録になってしまいましたが、とにかく音楽好きにはたまらない、知的好奇心をそそられるイベントでした!!

ああ、東京に出てきてよかった。



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ABOUTこの記事をかいた人

1994年生まれ。Japanese Music Blogger & Writer | 東京で社会人をしながら世界の音楽スポットやインディーズ音楽巡りをテーマに旅してます。北陸→東京/音楽心理学/韓国が好きな上京OL/マレーシア留学/DIGLE MAGAZINE/異文化に触れるWebメディアFRON