今週は、留学時代にお世話になった奨学財団のイベントにOB生として参加してきました。
この集まりには、日本からの留学先だけではなく、東南アジアからの留学生も多数参加するが、毎回みんなの言語能力に圧倒される。ほとんどが「自分の国の言葉+英語+日本語」の3か国語を話せる人ばかり。
参加者の中で、語学が堪能なパキスタン人のKさんに話を聞いてみました。
彼は、現在アジア圏の言葉を中心に5ヶ国語を話し、6ヶ国語目となるフランス語を勉強中なんだとか。日本語もペラペラでこちらが申し訳なくなるくらい。
ーーどうして6ヶ国語も勉強しようと思ったんですか?
もともと言語を勉強するのが好きなんだ。
ーーどうやって勉強してるんですか?
小さい頃から外国の映画が好きで繰り返し飽きるまで見てたんだ。そうしたらいつの間にか自分の中にインストールされていた感じ。特にボリウッドと呼ばれるインド映画がオススメだから、ぜひ見てみて!
ーーむむむ、日本にも映画が好きな人はいっぱいいるけど多言語話者が少ないんです。。。
僕は実は両親の関係でいろんな国を転々と住んだ経験があって。生まれはパキスタン、小学校はサウジアラビア、中学校はアメリカ、高校はパキスタン、大学は日本(笑)
ーー・・・。
何だか自分とは置かれていた環境が違いすぎて、そこでこの話題が止まってしまった。
ただ、感じたのは並々ならぬ〈ボキャブラリーの多さ〉と〈会話のテンポの速さ〉そして〈堂々とした話し方〉。
ボキャブラリーが多いとは、説明したいことを明確で的確な「言葉」にして説明できるということ。彼は、物事を説明するときに擬音語の多様や「何か〜」、「こんな感じの〜」という曖昧な言葉ではぐらかすことを一切しない。英語でいうと「something like~」を言い過ぎない、といったところだろうか。
会話のテンポが速いとは、文字通り、口からコトバが途切れることなく流れ出てくること。彼の話す日本語を聞いていると、1つ1つの文が短いことに気づいた。
日本人ならば、「 私はコーヒーが好きだし甘いものも好きだから、よくカフェに行くんだよね。」と話すところ、
彼は「僕はコーヒーが好き。甘いものも好き。だから良くカフェに行くんだ。」と文を区切ってポンポン言葉を繰り出す。
多分、彼の日本語はネイティブと比べると、まだ至らない部分があるんだと思う。それでも会話のスピードそれ自体は、ネイティブとほぼ同スピードで、問題なく会話が出来ているのである。この調子だと、ネイティブのような言葉を話せるようになるのも時間の問題だと思うし、コミュニケーションが出来ているかいないかの基準で考えたら十分合格点。
堂々とした話し方とは、間違いを一切恐れず、迷いなく自分の思いを声にして伝えること。
日本人には、なかなかこれができないと言われている。
理由は人によって違うと思うが、大抵の人は「間違えたら恥ずかしいから」「外国語を話している自分に対する周りの目が気になるから」そんなところだろう。
と、不意に自分が小学校から中学校へ上がった時、部活動に所属し始めて「先輩」という言葉を覚え、親に対して話すのが妙に恥ずかしかったのを思い出した。
そもそも人は自分が普段使い慣れていないコトバを発することに抵抗があるのでは?と思う。私がギターを始めたての時は、あらゆるギター用語を口にするのがぎこちなくて恥ずかしかった。ギター用語と言えば、コード、カポ、フレット、開放弦、アンプ、音作り、歪ます、などなど。おそらく、こんな経験のないペーペーが一丁前に専門用語使って・・・と周りに思われるのが怖かったんだと思う。
抵抗感には外国語も日本語も、実は関係ないのかもしれない。
ただ、外国語に関しては全てが自分のフィールド外の言葉であることくらいではないだろうか。
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